高階幼稚園の先生方へ
早いもので息子の入園から2ヵ月が経ち、初めての学期が終わろうとしています。数年ぶりの社会で未だに緊張の抜けない母をよそに、毎日皆に会えて嬉しそうな息子の顔を見るたびに、先生方やお友達、お母さん方一人一人に感謝の思いがあふれます。
だいぶ時間が経ってしまいましたが、一月そして二月と素晴らしいお誕生日会をありがとうございました。二月には初めて歌やリズムに参加させて頂くことができとても嬉しかったです。
二月のお誕生日会の後も、息子は毎日欠かさず楽譜を引っ張り出しては「お歌やりたい」と言います。今は一番から最後まで一人で歌いたがります。時には母の歌に合わせて太鼓を叩いたり。飽きるまで、すべての歌を、何度も何度も…。
ある朝登園してまもなく、森さんのお部屋から先生のピアノの音が聞こえてきました。歌いながら踊り歩くみんなの可愛いことと言ったら…。ああ、大好きな「おおきい木」をみんなで歌っているんだね。よかったね!
その日も帰宅するとすぐ楽譜の入った棚を開けて「宇宙の歌、うたいたい」と言います。歌詞のない「どびん」や「クォーターワルツ」まで、何度も私の歌をじっと聴いたり、ダンスしたり、口ずさんだり。「ガソリンスタンド」で2人で車になるのも心底嬉しそうにキャッキャッと笑います。その熱意と集中力にはいつも驚かされます。
一月と二月の楽譜はテープの補修跡ばかりになりました。
お誕生日会の歌は、知らなかった曲が多いのですが、最近の歌にはない、情緒ある日本的なメロディーや歌詞に心が洗われるようで、どれも大好きです。(「おおきい木」の後半ではいつも涙が出そうになります。)
そんな日々が続くうち、ある日山さんのお部屋でお歌が始まったとたん、息子がすぐに一人でお部屋へ走って行ったのだと、お友達のお母さんが教えて下さいました。
ああ、息子にとって、幼稚園とおうちはつながっているんだなぁ…と感じました。切り離された別の場所というより、まるで大きな家の部屋から隣の部屋へと移動するような感覚なのかもしれません。
お誕生日会でお母さん達が歌い踊り演じた歌や物語を、子ども達も、自然に幼稚園や家で歌い踊る。
母と子と幼稚園がいつもつながっていて、昨日から今日、明日へ毎日がつながっていく。
画一的な一斉保育の幼稚園では決して経験できない子と母にとってかけがえのない日々です。
このような日々を創造しつなげていくことは、どれほど大変なことでしょうか。先生方の並々ならぬ日々のご尽力にいくら感謝をしてもしきれません。
また、3月の園だよりは特別心に残るお話ばかりでした。0歳から子を保育園に預けて働くことがスタンダードになりかけている世の中の雰囲気について、母と子を引き離し、家庭の存在感が希薄になるような方向へ誘導されているように感じることもありました。また、自分の頭で考えられない大人を作るような(私自身が受けてきた)この国の右へ倣え的な教育に常々疑問を感じていたこともあり、お花先生の一文一文に頷きながら何度も読ませて頂き、とても勇気づけられました。日本人にとっての自然や神、母性に関するお話も深く共感しました。
お花先生、いつも心深くに響く素晴らしいお話をありがとうございます。高階幼稚園に息子を通わせることができる幸運と有難さに、ますます感謝の気持ちでいっぱいになりました。
これから年少さんになる息子が幼稚園でどんな日々を過ごし成長して行くのか、今からとても楽しみです。
先生方、いつも本当にありがとうございます。